Visceral Manipulation
内臓マニピュレーションとは?
●フランスのオステオパスであるジャン・ピエール・バラルD.O.によって開発された手技療法です。
●私たちの内臓は多くの筋膜や間膜・靭帯によって保護され,つながりあいながら独自の生理運動を続けています。その生理運動とは,「可動力」と「自動力」とよばれています。
「可動力」とは,横隔膜による呼吸や姿勢の変化などによって影響される,受動的な動きのことです。「自動力」とは,臓器そのものがもつごく微細な固有の動きのことです。
私たちの内臓はこうした生理運動を一日に何千回も繰り返しているわけです。
ところが,外科手術や感染症,内臓下垂などによって周辺臓器や筋膜・間膜・靭帯などに癒着や制限が起こると,臓器本来の動きが失われてしまい,その影響はその臓器のみならず周辺組織にまで波及してさまざまな症状を引き起こします。
内臓マニピュレーションの目的は,手技(マニピュレーション)によって個々の臓器の正しい動きを回復させ,機能増進をはかることです。
●内臓マニピュレーションの実際
- まず,ワーカーはクライアントの腹部に手を当て「傾聴(listening)」を行います。「からだの声を手を通して聴き取る」という意味合いでこう呼ばれています。
- その際,臓器に癒着や制限があるとその方向に手が引っぱられる感じがするので,それがすなわち診断となるのです。
- 問題の箇所が見つかると,ワーカーは自分の手掌や手根,指などを使って局所に穏やかな圧力をかけ,緊張や制限がほどけていくのを静かに待ちます。
- 臓器によっては必ずしも「気持ちいい」とは言えない場合もありますが,けっして痛かったり不快だったりするべきものではありません。
- 安心してリラックスしてお受けください。それでも不快感があるようでしたら,どうぞ遠慮なくその旨お伝えください。
- 制限の解消と動きの回復を再度「傾聴」で確認します。
- 外科手術後の癒着や内臓下垂などの問題は1回の施術では完全に解決されない場合もありますが,数回をめどに効果を確認していただければ幸いです。
こんな方におススメ
・外科手術後の癒着が気になる方。
・内臓下垂・内臓虚弱に悩む方。
・姿勢不良・肩こり・腰痛などの問題があり,筋肉系への治療では十分な効果が得られなかった方。